ホメオパシーは世界保健機関(WHO)が認め、現在世界の80カ国以上で用いられている補完・代替医療(CAM)です。
欧州では約30%のセルフケア利用率を含め、発祥国のドイツでは家庭医全体の75%がホメオパシー薬を処方しており日本での漢方製剤のような役割を担っています。
ホメオパシーは、本来、体に備わっているといわれる自己治癒過程に働きかけ、病気の人が全体のバランスを取り戻し回復していくと考えられており、疾患や症状よりも病気の人、その“人”に焦点をあて、オーダーメイドの個別性と多様性を特徴とする全人的(ホリスティック)な医療です。
ホメオパシー薬は一般にレメディと呼ばれ、3000種類以上あるレメディのうち、65%は植物から、残りは動物や鉱物などから作られています。
ホメオパシー薬(レメディ)は段階的な希釈を経て製造されますが、欧州や米国で認可されているホメオパシー薬の約70%がナノあるいは分子濃縮物となっています。超高度希釈されたホメオパシー薬は全製品の30%以下でその多くは医療現場で用いられています。
現在では190以上の無作為対照試験や作用機序について、多くの研究論文が報告されています。
ホメオパシー薬は欧州議会の指令によって管理(92/73EC,92/74EC :1994~ )され、医薬品として認可され、ホメオパシー薬局方およびGMP(Good Manufacturing Practice)の遵守やその国の医薬品に関する規制にも従っています。
ホメオパシー医療は疾患が対象というより、病気の人に対し個別的な治療が行われます。
主に慢性疾患では現代医療が効果的でない場合や現代医療における副作用、薬の投与量を軽減する目的で現代医療と統合的にレメディが用いられます。
現代西洋医療の過程に加えて、二つの柱からなるホメオパシーのコンサルテーションが行われます。
第一は病気の人を全体的に理解し、病気の人の全体像をひとつのパターンとしてとらえること。第二に病気の人の全体像のパターンにもっとも類似しているパターンを持つホメオパシー薬(最類似薬)を決定することです。
ホメオパシーを行う治療者は、法的規制のもとに医師のみが行う国(ベルギー・フランス・オーストリア・ハンガリー・ロシア・イタリア・スイスなど)と、法的規制のない国(英国など)や、ドイツのように独自の形態を取っている国があります。
当院の医師が所属する
日本ホメオパシー医学会は医師、歯科医師、薬剤師など国家資格を有する医療従事者から構成される団体で、国内に医療としてのホメオパシーを普及させるために活動しています。
■治療内容・費用カウンセリング・レパートリゼーション費用:6000円/30分 (各種レメディは700円/1週間分)
■ホメオパシーにおけるリスクと副作用的反応についてホメオパシーではアグラベーションとプルービングには注意が必要です。
アグラベーションとは“悪化”を意味し、通常、病気自体の悪化や、症状の悪化をいいます。
ホメオパシーでは、ホメオパシー薬を服用したときに一時的な症状の悪化である“治療的アグラベーション”が、慢性疾患に認められることがあります(頻度は10%以下)。
これは自己治癒過程が始まった反応と考えられていますが、時に強い反応であったり長期化することもあります。
“治療的アグラベーション”は、通常、ホメオパシー薬服用後1週間以内にみられ、多くは2週間以内に治まり、その後改善へ向かいます。
一方、プルービングは、現在の症状でなく、病気と関係なく新しい症状が起こることで、ホメオパシー薬服用によってもたらされた反応です。
このとき、その新しい症状は、服用したホメオパシー薬の作用と考えられています。
頻度は非常に低いですが、プルービングは、もともと健康な人にホメオパシー薬を投与して起こる反応や症状をみる検査ですが、治療を目的としてホメオパシー薬を服用した患者にも起こす可能性があります。
病気に対する医学的な知識や臨床経験があってはじめて、治療的アグラベーションやプルービングを、病気自体の悪化と識別することができます。
ホメオパシーのレメディは安全であっても、それを用いる治療者によって安全でないものになる可能性があります。
治療後の心身等の不調や異常がございましたら随時、当院にお知らせください。