うつ病・不安・統合失調
うつ病について
うつ病とは?
日本では100人に3~7人という割合でうつ病を経験した人がいるといわれています。うつ病の代表的な症状である「ゆううつな気分」や「気持ちが重い」という抑うつ状態がある程度以上重症であるとき「うつ病」と呼ばれます。
現在の日本におけるうつ病の診断は、患者さんの訴えをもとにそれに適合する診断基準を探し、病名を診断する流れが主流です。うつ病の診断基準マニュアルには「DSM-Ⅴ」(アメリカ精神医学会が編集した精神疾患の分類と診断のマニュアルと基準)と「ICD-10」(WHOの国際疾病分類基準)が存在します。
そして現在、うつ病の治療は抗精神病薬による対症療法が主流となっています。
うつ病における分子整合栄養療法
うつ病は、全身の栄養障害が神経症状の起因となっていることがあります。
ダイエット志向の若い女性に多く見られる栄養障害のひとつに、うつ症状を招く潜在的なミネラル・ビタミン不足などがあり、うつ病と診断されている多くは多くの方に栄養・代謝障害がみられています。うつ症状を招く栄養障害の種類としては、鉄、亜鉛、ビタミンB群、アミノ酸・タンパク質不足、低コレステロール血症などがあります。
うつ病の根本治療を目指す分子整合栄養(オーソモレキュラー)療法では、詳細な血液検査を行い、そのデータと症状から個々人に合った適切な栄養素の補給によって多くの症状が改善し、薬剤の減量や中止を可能にできます。
当院では
分子整合栄養にもとづいた栄養解析と食事指導によるうつ病の治療をおこなっております。
血糖調節異常である機能性低血糖症の症状として、うつ症状を呈することも多くあります。
機能性低血糖症が原因であるうつ病の場合、まず血糖をコントロールするために良質なタンパク質や脂質を中心とした食事内容の改善と並行してヘム鉄や亜鉛、ビタミンB群、ナイアシンなどの栄養素を補給する治療を行います。
血糖コントロールと適切な栄養素の補給によって多くの症状が改善し、薬剤の減量や中止が可能になったケースがあります。
その他の除外診断
気分障害・不安障害における神経伝達物質について
大うつ病や双極性障害などの気分(感情)障害や不安障害においては、これまで生物・科学的な診断・治療指標があいまいでしたが、尿中での神経伝達物質や副腎ホルモンの欠乏や過剰を測定することで、臨床症状の改善できる可能性があります。
エストロゲン
エストロゲンはセロトニンを作動しドーパミンを調節。プロゲステロンはGABAを作動し、テストステロンはセロトニン・ドーパミンを作動します。
またセロトニンは甲状腺機能を高め、GABAは甲状腺機能を阻害し、ドーパミンは黄体刺激ホルモンの分泌を抑制し成長ホルモンの分泌を高めるなど、神経伝達物質とホルモンは相互に密接な関係をもっており、抗精神病薬による対症療法が奏功しない場合ホルモン補充や神経伝達物質にターゲットを絞った栄養療法(TNT)は双方の神経内分泌システムの不均衡を是正するだけでなく、多系統における心身の失調改善が期待できます。
ドーパミンとセロトニンの調節法